先日、テレビでカドミウム米について放映された。真理ちゃんはカドミウム公害を知らない世代。
真理:電話で話してたカドミウムって何なの?
私:カドミウムは亜鉛族元素の一つで、亜鉛鉱に含まれていて軟金属に属するものだよ。カドミウム汚染といえば「イタイ・イタイ病」で有名だね。亜鉛精錬所から排出された鉱廃水に含まれるカドミウムが原因だったんだ。
真理:聞いたことあるわ。
私:そのカドミウムが排水や排煙、残りカスに含まれたまま、河川・水田や大気を汚染し、そのコメなどを食べた人が発症したんだ。カドミウムは腎臓の細尿管を傷つけ、カルシウムやリンが失われ骨軟化症を起こす。背骨などが折れて激しく痛むからイタイイタイ病と言うんだよ。
真理:いや~ん、痛そう!
私:カドミウムは電池から原子力発電所の制御棒まで幅広く使われ、その生産・消費量は日本が世界トップなんだ。都市近郊の工業団地では、ニッカド電池の生産量では世界一になり、カドミウムの利用は世界一を誇ったこともあるしね。
真理:でも、今は大丈夫なんでしょ?
私:非鉄金属鉱山が多い日本は、昭和40年ころまで鉱業がさかんだった。今も廃坑から膨大な量のカドミウムが流出してるとしたら?
真理:今も汚染がすすんでるのね。
私:カドミウムは鉄鋼、銅、マンガン、ニッケル、アルミニウムなどの鉱脈に含まれ、希硫酸に溶解し溶け出し、酸性の温泉は特に希硫酸が多く含まれる。東北から上信越、北海道、北関東、九州にはその鉱脈と温泉地が点在していて平野部は水稲地域でもあるんだよ。日本列島は山間地も平野部もカドミウム汚染が多いと見て間違いではないと言われてるんだ。
真理:安全じゃないじゃない!
私:結果、野菜や魚介類など食品がカドミウムで幅広く汚染され、日本人の1日あたりのカドミウム摂取量は、国際機関が決めた摂取許容量にかなり近くなっているんだ。
真理:国は何をやってるの?
私:カドミウムの汚染米の農林水産省の基準(厚生労働省は1ppm)は0.4ppmと、世界標準のコーディクス(0.2ppm)の基準よりあまいんだ。WTOでも日本は汚染米が多いと指摘され、平成9年から2年間、大規模な調査をしたら、全国37,250カ所の検査の結果、基準を超えた米の比率は16.9%もあったんだって。
真理:ぎょえ~!じゃあ、誰が私たちの安全を守ってくれるの?もう税金払わな~い!
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