地球上には118種類の元素がありますが、人間の体の95%は酸素、炭素、水素、窒素の4元素で構成されています。栄養学では残り5%にあたる、それ以外の元素(114種類)をまとめて「ミネラル(無機質)」と呼びます。
人間の体の中でミネラルは約8割が骨に、1割が筋肉に存在します。ビタミンと同じく、ミネラルは人間の体内では合成できないため、食事から摂る必要があります。中でも、体の中で「絶対に欠かせない」働きを担っていることが確認されているものを「必須ミネラル」といいます。その必須ミネラルの中で、1日に100mg以上の摂取が必要な、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7種を「主要ミネラル」と呼んでいます。
ミネラル自体はエネルギー源とはなりませんが、大きく分けて4つの働きを持ちます。
★骨や歯などの構成成分となる。
★筋肉、皮膚、臓器の構成成分となる。
★体内で浸透圧やpHを調節する。
★体内で起こる化学反応に関わる酵素の働きを助ける。
例えば、リンは歯や骨の構成要素となる一方で遺伝子を作る材料となる核酸や代謝で重要な役割を担うATP(アデノシン三リン酸)などの構成成分としても働いています。
食事から十分なミネラルが摂れなければ、骨粗しょう症(カルシウム)、味覚障害(亜鉛)など欠乏症状が現れることがあります。また逆に、大量に摂りすぎると、高血圧やむくみ(ナトリウム)、甲状腺腫(ヨウ素)、鉄欠乏症貧血(マンガン)など、過剰症の原因となることもあります。
ミネラルを多く含む食材としては、牛乳・小魚(カルシウム)、穀類・豆類(リン)、レバー・貝類・小松菜(鉄)などがあります。どれも、もともと植物や動物が体内に持っていたものではなく、植物が土から吸い上げたり、家畜がその土から生えてくる牧草を食べたり、海中生物が海水から吸収したものです。そのため肥沃な土地で育った農作物や果物、森林から流れ出る真水と海水が出会う豊かな海域で育った海産物などはミネラルを豊富に含むと考えられています。
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