2013年4月4日木曜日

脂質とは何か?


 タンパク質や糖質と並び、生命の維持に欠かせない栄養素の1つである脂質は、体脂肪として体温を保つのを助けたり、細胞膜、血液などの構成要素にもなります。化学的な構造によって「単純脂質」「複合脂質」「誘導脂質」の3つに大別されます。

単純脂質:脂肪酸とアルコールが結びついたもの。アルコールの種類によって、中性脂肪(脂肪酸とグリセロールが結合したもの)と蝋(脂肪酸と炭素数の多いアルコールが結合したもの)に分類されます。中性脂肪は必要に応じて体のエネルギー源となります。

複合脂質:単純脂質がリンや糖、タンパク質などと結びついたもの。エネルギー源にはなりませんが、細胞膜の構成成分となるなど重要な役割を担っています。

誘導脂質:単純脂質と複合脂質のどちらにも分類されない脂質を呼びます。この仲間にはコレステロール、脂溶性ビタミンなどが含まれ、コレステロールはホルモンの合成など大切な役目を果たしています。

 脂質は、炭素、水素、酸素が結合した「脂肪酸」によって構成されています。脂肪酸は「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」に分けられます。オリーブ油やサフラワー油、魚の脂は不飽和脂肪酸の割合が高く、一方、パーム油やヤシ油、バター、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)は、飽和脂肪酸を多く含みます。

 分子の構造の中に、必ず二重結合を持つ不飽和脂肪酸は、さらに「いくつの二重結合を持つか」によって、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分かれます。また、多価不飽和脂肪酸は「α―リノレン酸(n―3系)」と「リノール酸(n―6系)」の2つに分かれます。どちらも体内で合成されないため食事で摂る必要がある「必須脂肪酸」です。

 最近の研究でn―3系とn―6系の摂取比率が崩れるとアレルギーなどになるリスクが高まることがわかってきました。n―3系:n―6系の摂取比率は1:4がベストだといわれていますが、食生活の欧米化やファーストフードの台頭で、現状は1:14と大きく崩れています。健康のためには、n―6系の調理油を控え、魚の脂などでn―3系の摂取量を増やしましょう。

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