2013年9月17日火曜日

パントテン酸


12.エネルギー産生物質の主要成分

体内で化学物質を分解、中毒を予防

 腸内の大腸菌の働きによっても合成されるパントテン酸は、ビタミンB群の仲間で、脂肪酸や糖がエネルギーになるときに欠かせない、代謝を助ける重要な補酵素の原料。

 化学物質を解毒する働きもあり、例えば、パントテン酸を含む補酵素であるコエンザイムAには、除草剤や殺虫剤、薬剤に配合される多くの有害な化学物質に対して解毒作用があるとされている。

コエンザイムAは脂肪酸と結合して、最終的にアセチルCoAとなってTCA回路に入り、エネルギーを作り出す重要な物質だが、パントテン酸は、これを構成する主要成分でもある。

 また、副腎皮質ホルモンの合成を促し、脂肪や糖の利用など数々の代謝経路に必要な成分と考えられている。さらに、免疫力や自律神経の働きを高める作用も認められている。

 このパントテン酸不足による、足の焼けるような感じ、皮膚炎、不眠などといった症状は重度のビタミンB不足がない限り滅多に見られるものではなく、あまり神経質になる必要はない。

 ただし、高齢者や酒を多量に飲み続けている人、コレステロール低下剤を服用中の人は著しく不足するとの報告もある。妊産婦や授乳中の女性なども、パントテン酸不足にならないように気をつけたい。

摂取方法について

 パントテン酸はサケなどの魚肉、レバー、牛乳をはじめ、大豆(納豆)、ピーナッツ、キノコ類などあらゆる食品に含まれているため、日常の食生活の中で摂りやすく、極度の不足や、それによる欠乏症はほとんどない。

1日の目安量は男性で6�、女性で5�だが、これは、牛レバーで約3切れ、大豆で約2カップほどである。

 しかし、加工食品に含まれるパントテン酸は、調理の過程でその50%が破壊されるため、摂取源としては未精製の穀類や朝食用シリアルがおすすめである。

酒やコーヒーを多く飲む人は、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントなども利用し、多めに摂取するとよいだろう。

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