10.日本人にはおなじみの魚介類に含まれるカロテノイド
アスタキサンチン
カニやエビの赤色色素
アスタキサンチンは、β―カロテンやリコピンなどと同じくファイトケミカルの1つであるカロテノイドの一種。
カニやエビの外殻、サケやマスの身、タイ、コイの体表、一部の藻類などに存在する天然赤色色素である。
特にエビやカニなど甲殻類の生体内では、タンパク質と結合しているため赤ではなく褐色るが、加熱するとタンパク質が変化してアスタキサンチンから分離するため、アスタキサンチン本来の鮮やかな赤色が現れる。
一般にアスタキサンチンは、カロテノイドの中でも、特に強い抗酸化作用を持つとされ、紫外線や脂質の酸化から生体を防御する因子として働いていると考えられている。
そのため、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防止して動脈硬化のリスクを減らし、心筋梗塞や脳梗塞を予防するとされている。また糖尿病の進行を抑制する可能性も示唆されている。
さらに目を光障害から保護する作用があるとされ、例えばコンピュータなどを長時間使用することによる眼精疲労の改善、加齢性の眼病である白内障や加齢性黄斑変性症などの予防に効果があると考えられている。
そのほかにも抗がん作用や抗炎症作用、また肌の色素沈着を防ぐ作用などもあるとされ、今後の研究に期待が寄せられている。
摂取方法について
アスタキサンチンは、サケ、イクラ、エビなど日本人になじみの深い魚介類に豊富に含まれているので、それらの食材から摂取するのが一般的である。
例えば、いわゆる紅ザケ100gには、3�ほど含まれている。効果が期待できるアスタキサンチンの1日の摂取量は1�程度なので、1日に切り身一切れを摂れば十分ということになる。
またアスタキサンチンは脂溶性なので、揚げ物など油を使った調理法を工夫し、摂取すると吸収がよくなる。ただし、他のカロテノイド、特にニンジンやトマトなどと組み合わせて摂取すると消化管で競合し、吸収が悪くなる可能性がある。
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