13.肌と髪を健康に保つのに欠かせない
ビオチン
アトピー性皮膚炎の原因を減らす
ビオチンは皮膚炎を治す実験から発見されたビタミンで、ビタミンHとも呼ばれる。
食物に含まれるビオチンはタンパク質と結合しているため、そのままでは吸収されないが、酵素によってタンパク質から分離されると吸収される。
また、腸内細菌によって合成、吸収されているビタミンでもある。
筋肉内で、ブドウ糖がエネルギーに変わるときに生じる乳酸が、肝臓や腎臓で再度ブドウ糖に戻る糖新生という反応を助けたり、脂肪酸合成、アミノ酸代謝などに関わっている。
細胞の成長やDNA合成を助け、血糖値の維持、毛髪や皮膚の健康維持にも効果がある。
ビオチンが不足すると、疲労感や食欲不振、湿疹、抜け毛、白髪などの症状が現れるため、微量でも毎日摂ることが大切なビタミンといえる。
最近はアトピー性皮膚炎に対する効果が注目されている。体内にアレルゲンが侵入すると、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、皮膚の炎症を引き起こす。
ビオチンにはこのヒスタミンのもとになるヒスチジンを体外に排泄する作用があり、アトピー性皮膚炎の原因を減少させると考えられている。
糖尿病に関しても、血糖値が高い患者ほど血液中のビオチン濃度が低く、ビオチンを補給することで改善が見られたという報告もある。
摂取方法について
ビオチンを多く含む食品は、レバーやイワシ、大豆、トウモロコシ、タマネギなど。
1日の目安量は45μgだが、多くの食品に含まれるうえ、腸内細菌によって合成されるビタミンなので、普段の食生活で不足することはない。
ただし、抗生物質を長期間服用したり、下痢が続いたりすると、腸内細菌が極端に減少することがあるので、その場合は意識的に摂りたい。カリフラワー約半個分、大豆4分の1カップでビオチン30μgが摂れる。
生の卵白に含まれるアビジンは、胃でビオチンと結合してしまい、ビオチンの吸収を阻害するが、卵焼き、目玉焼きなどに加熱すると卵白中のアビジンは破壊されるので、安心できる。
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