11.糖質、脂質の代謝に作用
ナイアシン(ニコチン酸)
LDL(悪玉)コレステロールも減らす
ナイアシンとはニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称であり、ビタミンB群の仲間の水溶性ビタミン。
ナイアシンは、体内で重要な役目を持つ酸化還元酵素の補酵素の構成成分として、糖質や脂質の代謝を促進する。
体内で必要なエネルギーのうち、60~70%はナイアシンを利用したものだといわれている。
他にも、血行改善、脳神経の働きを強める、心筋梗塞の再発を防ぐなどの効果がある。
また、ナイアシン含有のサプリメントには、ぜんそく患者の喘鳴(呼吸のゼイゼイ音)を起こりにくくする効果があるが、これは炎症を引き起こすヒスタミンを減少させる作用があるためだと考えられている。
さらに、正確なメカニズムはまだ明らかではないが、ナイアシンは、肝臓のコレステロール生成能力を低下させるともいわれている。
正しく用いればLDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やす作用があるとされるが、専門家の指導なしに用いると危険。
コレステロール濃度の改善が期待できるほど多量に摂れば、神経過敏、頭痛、腸けいれん、悪心、下痢などの副作用が現れる。ニコチン酸は、30�ほどの摂取で顔が紅潮してかゆくなるフラッシングが起こることがある。
ただし、この症状はニコチン酸が主で、ニコチン酸アミドには見られない。
摂取方法について
必須アミノ酸であるトリプトファン60�が体内で代謝される際、1�のナイアシンが作られる。従って、体内のトリプトファンの量により、ナイアシンの量も変化する。
カツオやサバ、マグロなどの魚肉、鶏肉、レバー、豆類などからトリプトファンとして摂取できるほか、ナイアシンとしては小麦胚芽や米ぬかなどの穀物に比較的広く含まれている。
身近な食品に含まれる成分であるため、日常の食生活から適度な量を摂ることができる。
1日の推奨量は成人男性で14~15�、女性は11~12�とされており、通常の食事で摂り過ぎてしまうことはまずない。
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