5.筋肉にエネルギーを補充するアミノ酸の一種
クレアチン
アスリートの瞬発力をアシスト
クレアチンはアミノ酸の一種で、グリシン、アルギニン、メチオニンから、主に肝臓や腎臓内で合成され、ほとんどが骨格筋にクレアチンリン酸として貯蔵され、運動時のエネルギーを補充するために使われる。
その運動時に不可欠なのが、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー物質。ATPとは、アデノシンと3つのリン酸が結合したもので、分解される際に、1分子あたり8~10kcalものエネルギーを放出する。
この分解によってリン酸が1つ減ったADP(アデノシン二リン酸)を、ATPに再合成する際に必要なのが、クレアチンリン酸。過激な運動時にはATPが消耗するため、筋肉内ではADPを絶えず回収してATPに再合成するが(ATP回路)、最も速やかな反応物質がクレアチンリン酸で、数秒から数分でADPとリン酸を結合させてATPを再合成する。
つまり、十分なクレアチンリン酸が筋肉内に存在することにより、エネルギーの補充が可能となり、運動を続けることができるといえる。
このクレアチンリン酸によるエネルギー補充は、無酸素の条件下において行われるため、クレアチン摂取がより有効なのは、主に短距離走や重量挙げなどのような瞬発力を要するスポーツである。
なお、クレアチンを摂取すると、その分解産物であるクレアチニンの血中濃度が高くなる。その結果、尿量が増加し、腎臓や心臓に負担をかけるといわれているが、直接の因果関係は不明である。
摂取方法について
クレアチンは肉や魚から摂取することができ、一般的な生活では通常の食事で不足することはないだろう。
筋肉増強が必要なスポーツ選手の場合はサプリメントの利用が効果的である。ただし、常用していたスポーツ選手の腎臓や心臓に負担がかかるという障害報告例も実際にある。スポーツ選手といえども、トレーナーの指示のもと、目安量を守るなど摂取方法には十分に気をつけたい。
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