8.体内にすばやく吸収され、血圧上昇を抑える
ペプチド類(ラクトトリペプチド、かつお節オリゴペプチドなど)
食品由来のやさしい降圧効果
いくつかのアミノ酸が結合した物質をペプチドという。タンパク質が分解されて、1個のアミノ酸になるまでの過程で、ペプチドができる。結合したアミノ酸の数によって、2個でジペプチド、3個でトリペプチド、4個でテトラペプチド、5個でペンタペプチド、数十個でオリゴペプチド、50個以上でポリペプチドと呼ぶ。
ペプチドは消化吸収されるスピードが速く、病中、病後など体力が低下しているときでも栄養素をスムーズに体内に吸収させる。
大豆、イワシ、牛乳など由来するタンパク質の種類によってできるペプチドの種類は異なり、体内で果たす作用もそれぞれ違う。
代表的なラクトトリペプチドとは、乳から生まれた3つのアミノ酸が結合したものという意味で、VPP(バリン・プロリン・プロリン)とIPP(イソロイシン・プロリン・プロリン)の2種類がある。
消化酵素によって分解されずに腸まで届いて働くため、整腸作用を持つ。また、血管を収縮させ血圧を上げる働きに関わるACE(アンジオテンシン変換酵素)という酵素を抑えることで、血圧の上昇を抑える作用があり、特定保健用食品(トクホ)も多くある。
牛乳タンパク質の約8割を占めるカゼインが分解されてできるペプチドに、ミネラル類の吸収を高めるCPP(カゼインホスホペプチド)がある。
魚由来のペプチド類にも、同様にACE阻害作用を持つものがある。イワシから生成されるサーデンペプチドや、かつお節オリゴペプチドなどがそうだ。サーデンペプチドのバリルチロシン、かつお節オリゴペプチドのLKPNM(プロドラッグタイプペプチド)という物質が、ACE阻害に効果を発揮するといわれている。
摂取方法について
血圧上昇を抑えるために必要な摂取量の目安は、ラクトトリペプチドの場合、1日3.4�、かつお節オリゴペプチドで1.5�程度。
ただし、高血圧治療薬を服用している人は、降圧作用が増強される恐れもある。
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